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かじさん

​やりたいことは全部やった!

1962年生まれ。大阪府出身。趣味の音楽をきっかけにコンピュータに目覚め、大手IT企業でコンピュータのプロとして活躍。私生活では波乱万丈の人生。「やりたいことは全部やった!」そう言い切れるかじさんの人生。

Image by Razvan Chisu

平凡な少年がとんとん拍子で出世していく

もともとはどうしようもないガキンチョだった。何の取柄もない、勉強嫌い、運動はできない、インドア派。何やっても結果が出ないし、自分はダメな子どもなんだろうなって思い込んでた。裕福な家庭に生まれた子に嫉妬心を持ってたり。

それが、音楽に少し興味を持って趣味的にギターを弾き始めて、路上で歌ったりもした。

80年代後半から90年代にシンセサイザーが出てきて乗っかった。当時20歳前後。新しい楽器としてコンピュータを触るようになった。遊びの延長で触ってただけだったけど「これはすごいな」と思った。

ある程度覚えてしまうと、小室哲哉と同じようなことができてしまう。それで、「よし、この手の仕事に就いてみよう!」と思った。

当時はコンピューター技術者をものすごく募集しており、応募したらありとあらゆるところに受かるという時代。

「何もできへんけど、興味ありますよ」って言うだけで受かる。

だけど他の人は「興味あります」すら声に出さない。

それは、電子工学科を出てないとダメなんじゃないか…理数系を出てないとコンピュータなんて無理だろうって思ってたから。

だから「やりたい」って言ったもん勝ちだった。僕はありとあらゆるところから内定をもらって、運よく大手企業にもぐりこみ、毎日教育を受けさせてもらった。他の人より半日早く知識をつける、勉強をする、それだけでコンピュータのプロですってなっていった。

当時、会社で優秀社員をアメリカの展示会や学会に派遣することになって。だけど自分にはチャンスが回ってこない。

「だったら自腹で行こうぜ!」と同僚と自腹で渡米したりもした。

現地でいろんなことを見聞きして、資料をもらって、帰国して会社で自慢げに話す。

まだその頃日本ではパソコンを木箱に入れて、1台を3人くらいで慎重に運んでいた時代。だけど僕がアメリカで見てきた状況は違った。「アメリカではスーパーのワゴンに山積みになってるよ」「おばちゃんがショッピングカートにパソコンを入れて買ってるよ」「メモリボードがレジ横でガムみたいに並べて売ってたよ」って言って。最初はだれも信じない。でも、次第にそれが日本でも現実になってくる。するともうみんなは僕のことを預言者扱い。会社の上司や役員が「話聞かせて」と寄ってくる。

ある時、アメリカで1000円くらいで買ったインターネット接続キットを使って、展示会でインターネットを繋いだことがあって。「大阪で初めてインターネット繋ぎました!」ってね。そしたらいきなりヒーロー!東京や地方から引っ張りだこになって。

50歳くらいからコンサルタントと名乗れるようになって、シニアコンサルタントになり、自分は現場に行かずに調整役として働く日々。

壁にぶち当たったり、くじけたこともあったけど、割とうまく渡り歩けたかなと思う。

Image by Acton Crawford

失恋、自宅火災、詐欺、離婚

24歳の時に結婚を考えていた人に逃げられて、ものすごく落ち込んだことがあった。何もかもやる気がなくなって、仕事も辞めてしまった。友達との付き合いも全部切って、半年ほどゴロゴロしながら次に何をしようかなと考えていた。

それで、学生時代から憧れていたアメリカへ行こうと決心。アメリカに行って本場の音楽を聴こう!と思った。

20歳から働いて貯めた貯金を持ってアメリカ一周を決意。宿も取らずに飛行機チケットとバスの周遊券だけを持って渡米。英語はできなかったけど、見るもの聞くものがすべて新鮮だった。

グランドキャニオンを見たときは泣いたね。何億年もかけてできた地層の一番上の、このごく一瞬に、女に逃げられて泣いている場合じゃないよなって思った。

サンフランシスコからラスベガスに入って、「人生遊んでていいんだ!」と思っている時に、実家から自宅が燃えたと連絡が入った。

近所の家が燃えて、その火が延焼してしまって、家族は無事だったけど自分の部屋だけが燃えたと。昔のバンド仲間たちが燃えた部屋を片付けてくれていると聞いて、申し訳なくなって帰国。

その後本当に何もなくなって、レンタルビデオ店で働き始めた。が、「レンタルビデオのフランチャイズをしませんか?」というフランチャイズビジネス詐欺に引っかかって、全財産を失くした。ここが人生の一番の底かな。

あとは10年前に嫁さんに逃げられて。まぁ、自分が悪いんだろうなと思う部分もあって…円満離婚。子どもともいつでも会えるしね。

おかげで、自由な人生を手に入れた。笑

Image by Andre Hunter

人生は考え方次第。左遷さえも楽しむ

環境も自分の心の持ち方次第でなんとかなると思ってる。もともと能天気なんで。

実は会社員時代に何度も左遷されたこともあって。当時はだいぶ天狗になってたから人と揉めたりいろいろやらかして、あちこち地方へ飛ばされた。

でも、考え方を変えると仕事をしなくても遊んでて給料がもらえる。それっていいなって思ってた。

だけどダラダラした生活も、半年くらいでやっぱり飽きてくる。だったら、時間もあるしコンピュータ関係の資格を取ろうと思って。この時にたくさん資格を取った。受験費も会社が出してくれるし、合格すれば資格手当がもらえるし。何回落ちても全然気にしない。

他の人にはよく怒られるんだけど、頑張ろうとかどうしよう…っていうのはあんまりしない方がいいんじゃないかな。いい加減なやつだと言われるけど、あえて自ら選んで苦労しなくてもいいと思う。

そもそも悲しんだり悩んだりしてる時間がもったいない。早めにマイナス思考を断ち切って、割り切って。

メンタル不調に悩んでいる人は、その断ち切りがうまくできていないんじゃない?

本当は誰かに頼りたいし、助けてほしいし、相談したいし…だから甘えてるんだよね。でも、誰も助けてくへんって思い知らないと。

Image by Jacob Bentzinger

やりたいことはすべてやった

ずるい表現だけど、僕は叶う夢しか持たない。

もちろん小さな夢や目標はあるよ。例えば再来年大阪万博行くぞ!とか。でも大きな目標は全部やっちゃったかな。欲しいモノは全て購入したし、行きたいところも全て行ったし、やりたいことも全てやった。やばいことも。笑

なかなかそう言えない人が多いのは、言い訳してるから。みんな何か言い訳のほうが先に出てる。

いや仕事が、いや家庭が、今の金銭面じゃ…って。僕からしたら全部片付く話なのになんで行動しないの?って思う。まぁそれは人それぞれだから責める気はないけど、でも、早くやればいいのになとは思う。

例えば誰かが「俺こんなことしたいねん」って言ったとする。でも、いろんな言い訳を並べて踏み出せないでいる。

そしたらね、「それいいやん!僕がやるよ」って言ってやっちゃう。

それで後から「よくやるなぁ」「勇気あるなぁ」って言われるのが気持ちいい。笑

失敗したらどうしようとか怖いとかはあまりなくて、どっちかというと失敗を手に入れたい。「こんなんやらかしました~~!」っていうネタを手に入れたいという期待のほうが大きいかも。だからなんでもやりたいと思うことはどんどんやってきた。

だから全てやったって言いきれる。

Image by AbsolutVision

若い人へのメッセージ

よく言うのは「借金してでも、血吐いてでもいいから楽しいことやっとけよ」ってこと。

お金は絶対後からついてくるから。後で買えないのは健康と時間。これが有り余っているうちは、親に土下座してでもいいからお金を借りて、行きたいところに行って、欲しいもん買ったらいい。

これだけ遊びまくってた自分でも、20代、30代のうちはもっと無茶しといたら良かったなって思う。徹夜だってできたから。寝ずに遊んどきゃよかったなって思う。

今はもう寝ないとしんどいし、できることなら朝起きたくないし。…って言いながらも20年後も同じこと言ってるだろうから、今できるだけ動いて遊ぶようにしてる。

80歳になって、60代でもっと遊んどきゃよかったって絶対言ってると思うから。

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娘とのアメリカ旅行

子どもとはいろんなところへ旅行に行ったけど、一度娘と二人でフロリダに行った時の思い出がある。実は現地で全財産・パスポートを失くしかけて。ロッカーに入れ忘れた鞄がなくなった。係の人に身振り手振りで訴えたけど、全然通じなくて。娘は影で不安そうに見てた。あるのは海パンとカメラだけ。1時間くらいやり取りをしてたら、誰かが忘れ物として届けてくれてたことが判明して、事なきを得たんだ。そこから娘は必至で英語を勉強するようになって、その後語学系の学校に進学して頑張ってました。
怪我の功名ってやつかな。

見えないしっぽ

昔何かの漫画で読んだんだけど、人間には生まれながらに見えないしっぽがついているっていう話があって。赤ちゃんの時にはしっぽの中に人生いっぱい分のいろんな出来事がパーツとして入ってる。それをひとつずつ消費して生きていくのが人生。だからその人の人生は生まれたときに決まってる。全部使い切った時が亡くなる時。そのパーツが何百個もあって、ガチャガチャと同じでいいことも楽しいことも、悪いことも悲しいこともあって、それを消費しながら生きていく。そのパーツ同士がたまたま同じタイミングで同じ経験をする人がいて、それが出会い・恋愛・結婚・出産となるわけで。もう全部決まってるんだよっていう話がすごく面白くて、自分の中に刷り込まれてしまっている。
最近は自分にはあといくつくらい玉があるんだろうなって思ったりする。出来ればピンピンコロリと苦しまずに逝きたいね。

何かの分野で一番になる

評価判断するのは自分でいいから、この分野では一番!っていうのもを見つけること。勝てるところを自分で作る。「ここは負けてるかもしれないけど、こっちでは勝ってるよ」「この部分はほかの人より優れてるよ」って。それをひけらかすんじゃなくて、自分の中で満足感に浸ってね。そうるすと自分に自信が持てるようになるよ。

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